世界難民の日

今日は世界難民の日。私は難民の定義には当てはまらない方との仕事は結構ありますが、難民認定された方とは1度しかお会いしたことがありません(笑)

就労系の在留資格について言えば、最近では、一度は難民申請したものの、要件さえ満たしていれば、また申請した時の状況によっては、許可が出るようになってきました。

が、先日、難民申請中の特定活動から、技術人文知識国際業務へ変更申請したものの、不許可になってしまった案件がありました。短期滞在で上陸し、そのまま難民申請した事例でしたし、きちんと母国で大学も卒業しておられたため、契約機関の業務内容実現性とかその辺をつつかれるのか?・・・疑心にかられながら不許可理由を聞きに行くと、「難民申請をした際、大学は出ていないとの申告でした」とのこと、その齟齬だけが不許可理由でした。卒業証書も真正のものであったし、何が起こっているんだ!と小職もややパニック(笑)

その申請人は、日本語があまりしゃべることができないことから、もしかして、と思い確認すると、「やりとりの全てを知り合いに任せ、彼がしゃべった」ということなのです。その知り合いは既に母国にいるとのことで、おそらく日本語が中途半端に出来るブローカーか何かでしょう。何を持って学歴を小さく見せる必要があったのか。大学を卒業していると、難民申請に不都合があるとでも思ったのか。その安易な判断で、申請人の人生は大きく変わってしまいました。

あたり前ですが、入管は入国時からの情報を全て持っています。どこかで虚偽を語ると、当然ながら辻褄があわなくなり、それが後に取り返しのつかないことになります。その申請人も、在留期間6ヶ月を更新で繰り返していたところ、その理由をもって4ヶ月となってしまいました。こちらとしても何もできなかった哀しい案件です。

在留資格特定技能1号(建設分野)の許可について

特定技能1号(建設分野)の許可が出ました!申請が4月28日、許可が5月13日(許可ハガキ到着が5月19日、昨今の郵便事情(笑))ですので、GW挟んで実質2週間というのは、早いですね。やはり一旦国交省の受入計画認定を得ているので、その後の入管審査はスピードを持って行われるのでしょうか。

福岡へ行く時間が取れないので、受け取りを郵送に変えさせていただきました。本心は福岡へ行きたいんですよ、ええ。その気持ちを抑えるのになんと苦労したことか(笑)

それはさておき。郵送での受け取りの際は、指定書ははずして同梱するものの、パスポート自体は送ることが出来ないと言われました。その他は窓口でするのと同じものを揃えます。

新しい在留カードを受け取った後は、外国人就労管理システムへの受入れ報告を速やかにしなければなりません。ここが建設分野特有の上乗せですね。

帰化許可に伴う届出について

帰化許可が出た方は、官報に公示された後、法務局に出頭した際に「帰化者の身分証明書」が交付されます。この「帰化者の身分証明書」の「写し」を添えて14日以内に在留カードを返納し、帰化の日から1ヶ月以内に「帰化者の身分証明書」の「原本」を住所地または新たに本籍地を置く市区町村に帰化届のために提出します。これにより、新たな戸籍が編製されます。

帰化された方の戸籍は、戸籍が編製された日、身分事項には「帰化」と入り帰化日や届出日が記載されます。帰化された方の配偶者は日本人の配偶者等、お子さんは定住者への変更申請を要しますが、その手続きをやらせていただいた際にこの編成された戸籍を拝見した時は、何か感慨深い想いに浸りました。あれほど時間をかけて大変な思いをして得た日本国籍の証だからです。

家族の在留資格変更許可申請と同時進行で、帰化した方は、パスポートの取得​、運転免許証や不動産、銀行口座、クレジットカード、携帯電話、各種公共料金等々の名義等変更手続きをしなければなりません。帰化届の際に、何枚か戸籍謄本や住民票を取っておくといいですね。

さて、先日受任をいただいた配偶者とお子さんの在留資格変更許可では、無事5年を頂戴しました。お仕事も週40時間出来ますし、この後日本人の配偶者としての特例措置もあります。追々小職がサポートをさせていただければと思います。末永く幸せに、日本で暮らしてください!

オーバーワークの対処ついて

特定技能外食業分野への変更申請について、本日入管より、許可ハガキが来ました。この許可は、ひときわ嬉しい案件です。

というのも、申請人は2年前にオーバーワークを理由として、当時通っていた専門学校を退学処分となりました。特定活動で週28時間のアルバイトをしながら、特定技能外食業分野の試験に合格し、受入機関との雇用契約も済ませた上で変更申請を掛けた経緯となりますが、やはり過去の入管法違反が大変心配でした。

本来であれば、申請人は母国の大学を卒業していましたので、技術・人文知識・国際業務で在留出来た可能性がある方でした。日本語テストもN2を取得しており、会話をしていても「日本語が上手だな」と感じる方です。

それが、オーバーワークをしたため、ちょびっと回り道をしてしまったかな、といったところですが、オーバーワークは絶対バレると思っているぐらいがちょうどいいかと思います。

今回の申請では、小職は反省文と誓約書を独自で作成し、提出しました。なぜ働き過ぎてしまったのか丁寧にヒアリングすると、稼ぎ頭であった母国のお母様が、病気で入院してしまった時期だったのです。しかも申請人は、その時期学校へはきちんと行っていたため、出席証明書を取得し、出席日数は規定に達していることを証明しました。このような状況説明と立証、オーバーワークをしてしまったことについては大変反省していること、法律の主旨は理解しており、許されないことであることの認識はあった、等の旨書いた書面を出しました。

数週間後、資料提出通知書で追加書類を求められました。これは、即刻不許可になる可能性が低いということです。その時は希望の光が見えました~(笑)

追加で出すべき資料は、①オーバーワークをしてしまった年の確定申告を修正して行うこと、追徴課税が出たら、それを支払ったことを証明できるものを提出すること、②納税証明書その3を取得し、未払いの税金がないことを証明すること、といったものでした。

即刻申請人に取得を依頼し、追加資料提出後、3日で許可が出た次第です!

これは、オーバーワークに係る立証をする際の参考となりそうです。ただ反省するのみではなく、当時の修正申告をし、税金を全て払い切ること。小職自身も大変勉強になりました。 しかし終わってみれば、母国のお母様の診断書を出せと言われなくてよかった・・・と思う今日この頃です(滝汗)

建設特定技能受入計画について

先日国交省より、建設特定技能受入計画の認定が出ました。2月10日の申請でしたので、修正含め2ヶ月以上かかったことになります。長かった…

この後は、在留資格特定技能1号への変更申請への書類を一気に作り上げるということになります。

国交省よりのチェックが一番入るところといえば、やはり雇用条件書と申請内容との齟齬、特に報酬や昇給の部分です。雇用条件書自体を修正後、申請内容に変更を入れ、再申請をすることとなります。修正および質問事項が国交省の担当者から一覧できますので、それを愚直につぶした後戻せば、そこから認定までの時間はさほどかからないかと思います。

お客様からのご質問で一番多いのは、在留中「必ず昇給させなければならないのか?」ということです。

建設特定技能受入計画Q&Aによると、「建設分野の特定技能制度においては、告示(平成31年国土交通省告示第357号)第3条第3項第2号により、技能の習熟に応じて昇給させることが必須となっています。受入計画にはその昇給見込額や昇給条件(例:実務経験年数、資格・技能検定を取得した場合、建設キャリアアップシステムのレベルが上がった場合など)を明記してください。」とあります。

この「実務経験年数」の解釈として、毎年なのか?ということは微妙ですが、賃金規程や日本人従業員の待遇を精査し、「昇給必須」を前提として詰めていくことと、具体的な昇給金額の算出が重要です。

特定技能1号への変更許可申請について

日本に在留していた外国人の方が、特定技能評価試験に合格し、ある受入機関に特定技能1号として雇用が決まった場合、または技能実習生が特定技能1号へ移行する場合、画像にあげた大量の資料を提出する必要(これは一部ですが💦)があります。

その中の赤枠に示す「国民年金保険証」については、特定活動を挟んで特定技能1号としての変更が考えられます。週に28時間の就労しかできない活動から、フルタイムで雇用された場合です。ご自身で国民健康保険料、国民年金保険料を支払わなければならなかった方が、提出する書類となります。

①申請人の国民年金保険料領収証書の写し

(注1)申請の日の属する月の前々月までの24か月分が必要

②申請人の被保険者記録照会(納付Ⅱ)(被保険者記録照会回答票を含む。)

上記①又は②のいずれかとなります。

外国人の方の中には、特にこの年金保険料の制度を知らなかった、または払いたくないという方(その方もまた、知らなかったと言いますね)を良くお見受けします。しかしながら、日本に住む以上は一定の要件のもと、履行しなければならない義務となっております。

先日、とある受入機関に雇用が決まった特定活動で在留する外国人の方が、2年間国民年金保険料を払っていなかったという事実がわかりました。受入機関のご担当者とも相談したのですが、企業側としては、雇用前に住民税や保険料などの滞納はきれいにしなければ雇わないという鉄則があるとのこと。確かに、例外の前例を作ってしまった場合の負のスパイラルは想像するにタヤスイですね。

ということで、お互いとても良いマッチングであったし、申請人はその会社に雇用されたい、企業側も申請人を雇いたいとの意思確認がとれたことから、変更申請の手続きは続行することとなり、当該外国人の方は頑張って未払い分を納めることとなりました。

その外国人は、かつては学生納付特例制度(在学中の保険料の納付が猶予される)を利用していたところ、オーバーワークがバレてしまい、学校退学となりました。その後納付猶予がされなくなり、この度のおまとめ支払いとなってしまったという経緯です。いくら滞納していたか計算したところ、およそ40万円弱・・・結構な金額です。

クレジットカードを使えるか相談がありましたが、残念ながらそれが出来るのは、申し込み手続きをした後、「将来の」年金保険料支払いにしか使えません。ご希望であれば、年金事務所へ行き、

を提出もしくは提示し申し込んでください。2週間ほどで手続き完了です。

https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-02.html#cms1

この国民年金保険料の納付期限は、法令で「納付対象月の翌月末日」と定められています。将来、永住申請許可を見据える上でも、きちんと義務履行することが重要です。自信がなければ、口座振替にしましょう。

ところで、特に外国人の留学生に対し、このような制度の周知や認知は、どこが、いつやっているのでしょうか?発信自体の脆弱さを疑うことがしばしばある今日この頃です。

帰化申請後の家族のビザ(在留資格)について

先日、昨年5月に帰化申請したお客様より、なななんと、帰化許可が出たとのお知らせがありました!

え!?早くない?コロナ禍の帰化申請標準審査期間は1年~1年半と聞いていましたが、その方はなななんと、8ヶ月!本当に嬉しい知らせでした。その方は晴れて日本人となりました。

その方はもともと技術・人文知識・国際業務(以下技人国とします)5年で在留しておられましたが、会社の都合(身勝手とも言う)で特定活動(告示46号)に変えさせられ、在留期間は1年になってしまいました。しかしここが技人国の痛いところ。「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う」活動に該当性を持つことから、この機関からのお達しに駄々をこねて解雇されてしまった日には元も子もありません。昨年は正にコロナ禍で、外国人の方が自発的、もしくは非自発的に辞職した場合、次なる契約先(雇用先)を探すのに苦労されていた方が多くいらっしゃいました。この方も、この契約を失いたくない気持ちと、やはり従事する仕事がお好きだったことから、会社からのムチャなお達しに堪えていたのです。耐えながらも、帰化申請していたということです。

無事帰化許可を得て日本人となった今となっては、やりたい放題、お、言葉が悪いですねもとい、契約にこだわることなく、従事する業務内容にこだわることなく、時には会社なんかも作って経営者になることも視野に入れながら、働けるということになります。もちろん、確定申告や納税などの義務履行をしつつ、ということになりますが。

そして日本人になった後、家族の在留資格も出来る限り早く変更してください。奥様は、この方の場合、家族滞在から「日本人の配偶者等」へ、3歳のお嬢さんは家族滞在から「定住者」への変更となります。変更申請の必要書類を説明する際、「戸籍謄本とってくださいね」と申し上げたところ、「それはどこでどうやってとるのですか?」との質問があり、こちらとしては妙に新鮮な気持ちになりました(笑) その気取らない素朴な性格が、担当審査官に評価されたのですかね?(笑 それはないか)

これからは、どうかどうか、日本人として、日本で幸せに暮らしてください!

金属熱処理業技能実習評価試験パブリックコメントについて

ようやく、ようやく、金属熱処理業科目が技能実習評価試験に追加されることになりそうです。技能実習評価試験に追加されるということは、すなわち「移行対象職種」および「作業」になるということです。

製造業に携わる労働者は独特な技術と専門性が求められるため(どの業界もそうですが)、特定技能1号評価試験合格組を受入れ、即戦力として働けることは望めません。そうなると、技能実習からの移行が現実的であるということになります。

ところが、この金属熱処理業で特定産業分野として、また日本標準産業分類としての該当性はあるのに、特定技能1号評価試験の科目にない、業務区分がない、さらに言うと、技能実習からの移行が可能となる移行対象職種・作業にないという不思議な構造になっていました。(現在の「製造分野特定技能1号評価試験実施要領」をご参照ください)

在留資格特定技能1号申請の際に提出する誓約書には、特定産業分野該当性を確認する「2465 金属熱処理業」と明記されているのですが、制度が追い付いていなかったということになります。

繰り返しますが、ようやく、ようやく(だけどまだ)パブリックコメントにて募集がされました。公布・施行は令和4年11月。現実的に受け入れられるのはさらにその1年先ともいわれていますが、ようやく、ようやく(また言っちゃった(笑))金属熱処理業界の方は準備が進められそうですね。

職種・作業名は以下となる見通しです。

職種:金属熱処理業

作業:全体熱処理作業、表面熱処理(浸炭・浸炭窒化・窒化)作業、部分熱処理(高周波熱処理・炎熱処理)作業

特定技能建設分野「建設特定技能受入計画」の申請について

特定技能建設分野の申請をやらせていただくにあたり、覚悟はしていたものの、やはりクセ強っ!です。でもこれをやっておけば、ひと皮もふた皮も剥け成長しそうな予感…と自己過大評価はさておき。

入管あて特定技能1号変更許可申請までに、国交省宛に建設特定技能受入計画を申請し、認定を受けておく必要があります。標準認定期間は、補正を除き1ヶ月半~2ヶ月を見込まなければならないようなので、現在特定技能1号移行準備のための特定活動4月で在留する申請人のために、出来るだけ急がなければなりません。

一番「クセ強っ!」と思ったのは、受入計画のために提出する書類として、ハローワークの求人票の添付が求められていることです。これは特定産業分野であるための該当性「生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野」であることに加え、建設分野では、「建設業務に就く労働者の有料職業紹介が禁止されており、求人誌や求人サイトによる有料の職業紹介は違法」となっていることによります。(職業安定法より)

その求人票も、特定技能外国人と同じ職種であること、同程度の処遇・待遇であること、受入計画申請日から1年以内の求人であること、そしていわゆる「空求人」でないこと、といった条件を満たすことが必要です。

そしてさらに気を付けるべきは、当該特定技能外国人受入「後」も、人材確保を継続して行い、資料として提出する必要があるということです。

建設業界には、適正就労監理機関である国際建設技能振興機構、略してFITSというガムみたいな名前の機関が、1年に一度巡回指導を行います。特定技能所属機関に巡回指導に行った際に、求人を継続的にやっているかを証する資料として、ハローワークの求人票を求められる可能性がありますので注意が必要です。このFITS、建設技能人材機構(JAC)よりの委託を受け、巡回指導や受入れ後講習などを行い、受入機関と外国人とのトラブル、引き抜き防止の指導なども行う機関です。 しかしこちらとしては、いろいろな機関が登場するので、名前を覚えるだけでも大変…やっぱりクセ強ですな。

帰化許可申請と日本語能力について

明けましておめでとうございます。2022年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

仕事始めは帰化許可申請から始まりました。昨年末から証明書類を収集し、この仕事始めに無事申請できたものであります。

今回の申請人は、母国では大学院を出て日本にいらした方で、日本語がとても上手、意思疎通はなんら支障はありませんでした。しかしながら、日本語テストを合格したことがなく、疎明資料はありません。日本語テストははるか昔、いきなりN2を受けて不合格となって以来、受けていないそうです。

帰化においては、法律上の日本語要件はありません。しかしながら、法務局相談員の方は申請人の日本語能力にはかなりチェックを入れます。相談の合間、または書類チェックの合間に他愛のない話を申請人に振ります。あくまで私見ですが、そのプチチェックで日本語能力の査定をしているのかもしれません。だって、日本人として国籍を有しながら日本語がヘタクソって、普通に考えたら変ですよね。法律上の要件ではないけれど、社会通念上の感覚からなるチェックなのかもしれません。因みに、さいたま地方法務局では、一定程度の日本語が出来ない申請人は門前払いです。

今回の申請人は、試験こそ合格していないけれど、生きた日本語を職業上経験し習得したのでしょう。相談員からの質問にも的確な対話をし、相談時のプレテストで100点満点中98点を取ったものですから、相談員の方も絶賛されていました。対話上、的外れな会話をする申請人に何度か立ち会ったことがある小職は、彼女の素晴らしき対話を聞いて、大いなる安堵に見舞われました。帰化許可申請の場合、行政書士はあくまで付添いをする人でしかないので、会話には出来るだけ立ち入らないようにしています。

この度の申請人の心配事はただ一つ、父親を幼少期に亡くしていたため、両親の婚姻証明書を取得できない、ということでした。そのような場合は法務局に相談した上で申請に臨むべきです。今回の場合は、申請人の母に上申書を書いていただき、法的な裏付けを記述した補足説明書を添えました。申請人の母国の旧民法においては、婚姻を登録しなかった理由だけでは婚姻が法律的に成立しないことにはならないとの説明をし、それは新民法成立後においても有効に婚姻が成立していることを説明しました。

無事申請受理されて以降は、1年半もの審査を経て結果を待つこととなります(昨日聞いた最近の標準審査期間です)。申請人の日本国籍取得を心から願うばかりです。