取り下げについて

先日、一度在留資格に係る申請をした後、やっぱり申請をやめる、取り下げの手続きをしたい、とのご依頼を初めて受けました。

就労系の在留資格の事例だったのですが、既に多くの関係者を巻き込んでいます。雇用契約書も締結済、社宅も手配済、その上在留資格変更許可申請も済。

申請人がその会社で働きたくない、と思ったそうで、そうならば雇用契約締結前にとっとと決めたら良かったのに。優柔不断なんですかね?そうかと思えば、周囲の説得は一切聞かず。結構頑固ですな。

決断までの期間も優柔不断の人らしく長くかかってしまったので、その間に在留期限が過ぎてしまいました。これは当該申請を取り下げた時点で、オーバーステイとなることを意味します。

その場合、担当審査官との個別の相談となり、次に想定される在留資格の申請書を同時に用意しておかなくてはなりません。じっくり考えた方が良い、とまでその審査官の方はおっしゃってくださったのですが、申請人の意思は残念ながら、その後も変わることはありませんでした。

申請した品川入管まで申請人に同行し、審査官に直接会って、その場で取り下げ書を書き、同時に次なる変更許可申請書を出す、といった慌ただしい時間を過ごしました。

その申請人は、独断で勝手に諸々決めて行動に移す傾向にあり、それまでにも周囲を振り回してきました。同行した日も、担当審査官に会う直前までキャップをかぶっていたので、日本では相手に対し失礼に当たる行為なので脱帽するように、と私が指導する始末。無事申請が受理されて一安心といったところでしたが、申請人はしゃあしゃあと高田馬場に遊びに行ったりしてまぁ…子供か(笑) 親の心子知らずを入管で体験した一日でした。

日本で働いてお金を稼ぎたい、というのも確かに立派な動機なのですが、今回の申請人の場合で言えば、それだけではなく、日本のルールを覚えながら、日本で今後どうしたいのか、何をしたいのか、もう少しゆっくり考える必要がありそうですね。

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