特定技能「受入機関適合性」について(8)

受入機関適合性に関わる「③行方不明者の発生に関するもの」について、特定技能所属機関が雇用する外国人を、その特定技能所属機関が責めに帰すべき事由があって行方不明者を発生させて場合には、受け入れ体制が十分であるとはいえないことから、特定技能基準省令に定める基準に適合しないこととなり欠格事由に該当します。

特定技能運用要領によると、「責めに帰すべき事由」がある(行方不明者を出したのは、特定技能所属機関のせい)とは、雇用条件に示す賃金を適正に払っていない、支援計画を適正に実施していない等の法令違反や基準に適合していない行為が行われていた期間内に、特定技能外国人の行方不明者を「1人でも」発生させていれば、本基準不適合となります。

ここで注意すべき点は、特定技能所属機関が技能実習制度における実習実施者であった場合です。受け入れた技能実習生を実習実施者の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させた場合にも欠格事由に該当します。特定技能所属機関が雇用する「外国人」とあるのは、実習実施者として技能実習生の行方不明者を出してしまったけれど、特定技能所属機関としてなら問題ない、またはリセットされる、ということは決してないからです。

技能実習生の失踪については、一概に実習実施者だけが悪いともいえないセンシティブな社会問題であると感じています。例えば、技能検定「随時3級」実技試験の義務化に伴い、技能実習生は、技能検定の受検は「人生で2回限りの権利」となります。それに不合格となれば、1年満了での帰国を余儀なくされ、当該技能実習生の「人生計画」を大きく狂わせ、場合によっては失踪及び不法滞在・不法就労を誘発させ得ます。だからといって技能検定に不合格だったというだけで実習実施者に帰責事由はありません。実習実施者にとっては優良要件の適合に影響が出たりはしますが。

国際貢献の名のもとに、実習生を安い労働力ととらえる建前と本音の使い分けはもはや限界であり、世界からも人権侵害の問題があるなどとして批判されている技能実習制度ですが、一言では片づけられない深層があると感じています。

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